3時のおやつは乳酸菌

人には人の乳酸菌

シンガポール渡航記〜にっちもさっちもどっちも親指編〜

当日の朝、寝坊することなくはっと目が覚めた。遠征に行くと毎回トロトロと用意をするので母に怒られるのだが、今回は友人と一緒なのでそういうわけにはいかないと思い、早めの行動を心がけた結果、5:30に起床した。
前日の晩に明日起きられるか心配…と言っていたわたしを見越し鬼電を朝からくれていた友人に気付かず、身支度を着々と進めていたことは反省します。

飛行機に乗るまでの緊張がとてつもなかったことを今でも鮮明に覚えている。なぜならばエアースクートアプリの性能があまりにも悪すぎて、便どころか座席までも確認できない始末だったからだ。幸いにもPDFで抽出していたので、何とかなった。そして何よりひとりじゃないので、搭乗ゲートがわかってからは、乗れるかどうかの不安なんてものは二の次くらいで、自分たちのおたく遍歴について語り合っていた。
思いのほか搭乗手続きに時間がかかり、おたくがよく撮っているトレカやアクスタ、パスポート、搭乗券と共に、これから乗るであろう飛行機をバックに撮影をするイベントは速足で執り行われた。今見返すと、搭乗券の見えてはいけない情報がたくさん透けて見えているので、映えなんてものはないに等しい。これは2人の思い出だ。

 

飛び立ってからは、機内の明かりを消されたので強制寝かしつけにあったが(このとき朝の10:00)、わたしたちはというとお互いが持ってきたアクスタやトレカを披露し合っていた。事前に何を持っていくか話していたにも関わらず、友人は何を思ったのかペンミのグッズで発売された巨大アクスタを持参しており、静かに笑うほかなかった。持ってきたアクスタの中でも、明らかに異質を放つ大きさであり、巾着から足が出ていることも相まって余計におかしかった。彼(デカピリ)の出番は行きの飛行機のみであった。

飛行中は、下界からの情報が一切遮断されるため、ツイ廃2人組は更新されないTLを虚無顔でスイスイしていた。スイスイする中、もしかして彼らと同じタイミングでチャンギ空港に降り立つのではといったことが頭の中を過る。その瞬間、もし推しにぶつかってしまったときの良い印象の残し方といったシュミレーションが脳内で始まる。それがこれだ!!!

友達との話に夢中になり、前方不注意なわたし。→ぶつかる「oh,sorr…I.N!?!?!??ちょぬん、あいえんぺにえよ~~~~のむちょあへよ~~だいすき~~」
ちなみに脳内だけでは収まらず、友人相手に何度か繰り返した。これ練習いる?という友人からのツッコミを振り切り練習した。当たり前に練習の成果を披露する機会はなかった。

 

そしていよいよ入国審査のターン。何度きてもこの瞬間はドキドキする。コロナ禍で色々と仕組みが変わっており、事前準備ブログでも紹介したが、出国前に登録した健康観察シートのようなものをここで提出しなければならない…はずだったが、結論なぜかチェックされなかった。そんなことはつゆ知らず、私たちは審査官の元へ向かう。

手元には健康観察シートが読み取れるバーコードを用意、マスクを外してパスポートと相違ないか確認される。そしてバーコードの提出かと思いきや、親指を向けられグッドポーズをされた。戸惑いつつも、これはよくシンガポールに来たな!!と明るく出迎えてくれたのだと思い、笑顔でわたしもそれに答えた。するとさらに親指を向けられたので負けじと歯を16本見せて、応戦した。困惑した空気とあきれた様子を感じつつ親指を向け続けていると、審査列の整備をする人を呼ばれた。よく聞いていると指紋を取るから、このプレートに親指を押し付けるように教えてやれと言われていた(ニュアンス)。全然歓迎の挨拶ちゃうやんけ!と思いながらも、親指にでかでかといるフォクシニーネイルを見せつけるように指紋採取プレートに置いた。

一方友人はというと、バーコードをここで見せると思い、バーコードを見せつけ、親指を見せつけ、NOOOOO!!!と言われわたしと同じくらい格闘していた。

入国審査で、あんなにも苦労したのは後にも先にもこれが最後だと思う。とりあえず笑っとけは入国審査では通じない。これからの人生で何かの間違いでわたしにすべらない話のオファーが来たときには披露したいと思う。今回の旅で一番の難所を超えたわたしたちは今後何があっても動じないだろうとお互い考えていたはずだ。


チャンギ空港は、ここ最近綺麗にリニューアルされたようで、それはもう空港どころか巨大ショッピングモールといっても過言ではなかった。チャンギ空港で一番テンションが上がった看板がこれだ。

「ドンドンドンキ」

案内掲示板の写真をバシャバシャと撮り、大口を開けて笑う日本人。さぞかし奇妙に見えただろうな。日本でたまに見かけるよくわからない標識を撮っている海外の方の独特のセンスが理解できなかったけれど多分こういうことなんだと思う。ドンドンドンキ…

 

空港でひとしきりはしゃぎ、わたしたちはマーライオンに推しを見せつけるといったとても重要なミッションがあるため地下鉄に乗り、目的地へと向かった。

事前に行き方を調べていたため、スムーズにマーライオン公園へ到着することができた。日も落ち、マジックタイムといった夕暮れの空に浮かぶマリーナベイサンズはとても綺麗だった。

 

シンガポールに到着した実感が湧いてきたわたしたちは、その綺麗な瞬間をぶち壊すかの如く、ゲラゲラと笑いアクスタやトレカを掲げて、バシャバシャと写真を撮りまくった。インスタの機能で、ヒョンリクスの幼少期時代になれるエフェクトを友人が見つけていたので、ツーショットを撮ったのだが、友人がピリペンにも関わらず、わたしにばかり幼少期ピリのエフェクトがかかるので、それがあまりにもおもしろかったのと、ピリになりたい一心で友人は頭を一度カメラの外にフェードアウトさせ、戻ってくるといった動きをマリーナベイサンズの前で繰り返しているといったことが妙な気持ちにさせ、しばらく呼吸困難になるくらい笑った。

 

口角がガンガンに温まってきたところで、マーライオンとついにご対面だ。わたしたちは宝物(アクスタやトレカ)をこれ見よがしに、マーライオンに見せつけた。いつも宝物の写真を撮るときに思うが、背景と被写体を綺麗に満足がいく形でカメラに収めるのってすごく難しい。またしてもおたく二人組はあらゆる画角ととんでもない体制を取りながら、最高の形で宝物を写真に残すべく奮闘した。その甲斐あって、いい写真が撮れた。あとインスタでよく見る、普段なら絶対やらないグッズで顔を隠しながらおたくっぽいポーズを決めるショットも撮ってきた。海外、おたくの行動さえも大胆にさせる。

 

ひと仕事終えたわたしたちは晩御飯を食べることにした。明日のコンサートのことを考えると胸がいっぱいで何も入らないかと思いきや、明日に備えてしっかり食べねばといった闘争本能のようなものがたぎり、その思いが伝わったのか、めちゃくちゃでかいハンバーガーがテーブルに二つ並んでいた。またしてもなにが正解なのかわからない写真を撮ってしっかり腹ごしらえした。味はとっても美味しかった。(小並感)

 

食事を終えるとちょうどマリーナベイサンズで毎日行われるショータイムの時間だった。海に浮かぶマリーナベイサンズをバックに、華やかなライトがくるくると光を放ちながら夜空をライトアップするのだが、いかんせんジャニーズを通ってきたおたく二人組。なんか演出しょぼくね????もっとあそこ火柱挙げて、強めにライトアップしろ!と茶々を入れ始める(サイテー)。そうなるとマリーナベイサンズがJr.マンション*1にまで見えてくる。毎日のショータイムとなるとこれくらいの低予算でないとやっていけないのかもしれない、知らんけど。しかしどこから打ちあがっているのかわからない花火を見たときはアフターライク*2かと思ってそれには気持ちがぶちあがった。この近くにヒョンジンとスンミンがいるとも知らずに…。

 

時間も時間だったので、ショーを最後まで見ず、帰路についていた。そしてスンジニがいるであろう時間にマリーナベイサンズの隣にあるガーデンズバイザベイの近くにまで来ていたわたしたち。インスタの写真を見たとき、大の字で床に寝そべるかと思った。近くにいたのに会えない運のなさに悔しくて。会えたらまさにあの練習の成果が発揮できたのに…!!!!!(絶対そこじゃない)
こんなに狭いシンガポールで会えないから多分この先も街でバッタリあにょはせよハプニングなんてないと思う。でも可能性がある限りわたしは会ったときのイメトレをやめない。


1日目だけでこんなに楽しかったのに明日はどうなってしまうんだろうという気持ちの中、夜は眠りについた。
次はいよいよ初めての海外コンサート!中華おたくとタイマン編だよ!!!

*1:人が入れる鉄枠を積み重ねたジャニーズ特有の舞台装置。一つ一つ小部屋のようになっておりそこにJr.たちが入りパフォーマンスをする

*2:韓国女性アイドルIVEの楽曲